国会議員の先生方、厚労省のみなさま、関係者の方々へ

 今国会での無年金障害者の救済を

 カンパにもご協力をお願いします。

     学生無年金障害者訴訟全国連絡会
      東京都新宿区大久保1-1-2 富士一ビル4階
       (TEL)03-3207-5937 (FAX)03-3207-5938
     学生無年金障害者訴訟弁弁護団全国連絡会
      兵庫県尼崎市潮江1-20-1 いろは法律事務所内
       (TEL)06-6496-0132 (FAX)06-6496-0133

■ボールは国会に投げられている
 1か月前(3月24日)、東京地方裁判所は、平成元(1991)年の国民年金法改正によって20歳以上の学生が強制加入とされる以前に重度の障害を負って無年金障害者となった元学生の原告らの請求を、ほぼ全面 的に認める判決を下しました。
 判決は、元学生について是正すぺき立法措置を何ら講ずることなく放置したことは平等原則(憲法14条)に違反する、として、各金500万円の国家賠償請求を命じ、立法府である国会がおよそ20年の長期にわたって学生無年金障害者問題を放置してきたことを、故意による不作為であると断罪しました。
 この判決は、直ちに平等権を回復すぺく立法措置をとるよう求めるものです。ボールは、司法府から立法府に投げられました。

■今国会で救済立法を

 国は、4月6日控訴しましたが、その際、与党においても救済策が検討されていることが指摘されました。しかし、その後の国会では、何らの具体的救済策も示されていません。立法府が本当にこの判決を真摯に受け止めたのか、無年金障害者の置かれている状況に理解を示しているのか、わたしたちは疑問を感じ始めています。検討する検討すると言いながら解決を引き延ばしてきたこれまでの姿勢が故意による不作為だと司法府に指摘されたにもかかわらず、衆議院の審議が終わろうとしている現時点でも、いまだに具体的な救済策が示されないことは、新たな立法不作為であることは言うまでもありません。
 わたしたちは、今国会で救済立法がなされるよう強く求めます。

■カンパをお願いします

 国会にボールが投げられたことから、わたしたちは、全国各地から、連日にわたり、国会議員の先生方や厚労省へ訴えるため、上京して活動してきました。
 この活動には、同様の裁判を行っている、北海道、新潟、京都、大阪、兵庫、福岡などの原告や家族が直接参加しています。当事者は、無年金障害者であり、東京までの交通 費すら年金で出すことができないのです。東京まで何往復もし、また、連泊も余儀なくされました。車いすのため介助者を伴わなくては上京できないため、その分の出費を強いられた方や、また、安価なビジネスホテルが使用できずハンデキャップルームのあるホテルを探し宿泊した方など、障害ゆえにさまざまに苦労しました。また、障害があるが故にヘルパー料金など過分な出費を要しました。
 これらの活動が無年金である当事者にとってどんなに過酷なものであるかは、想像力のある方であればお分かりになると思います。今国会での救済を求めるこの活動のために、是非ともカンパをよろしくお願い致します。

●カンパ金口座 郵便口座 記号12120 番号69734131
       口座名  無年金障害者運動へカンパの会


〔コラム(問題の本質)〕

 厚生労働省は、無年金障害者を救済することは年金制度の崩壊をもたらすなどと声高に主張しており、今回の無年金障害者を救済することが年金の拠出制度としての本質を崩すものとならないか、あるいは、拠出した国民の理解を得られないのではないかといった点において懸念の声もあるのは事実です。しかし、本当に年金制度の崩壊をもたらすようなものであれば、裁判所が憲法違反だという判断を下すはずがありません。
 そもそも、「拠出なければ給付なし」との保険理論は、障害基礎年金にあてはまるものではありません。例えば、20歳前初診の場合には拠出なくして障害基礎年金が給付されており、20歳を超えた場合でも加入月に初診日があった湯合には拠出なくして障害基礎年金の給付がなされております。昭和60年改正においては、国民皆年金の理念の下、全ての国民に基礎的な所得を年金で保障する趣旨で基礎年金制度が導入され、20歳前初診者のような無拠出者に対しても障害基礎年金が保障されることとなりました。先進諸国の例をみても、障害者に対する所得保障は無拠出にておこなわれるのが一般 的です。
 いずれにしても、この問題の本質は、同じ障害を持った者でありながら、ある者には、障害基礎年金による所得保障が全くなされず、ある者には、障害基礎年金による所得保障が全面 的になされるという差別についての不合理性にあり、国民の理解は得られます。
                                   (2004.4.20)