A 日本共産党の年金政策 <おこたえします>

Q. 
国会議員の国民年金・保険料未納問題をきっかけに国民の間では、7割以上の人が、年金法案は一から出直せ!今国会での成立に反対の声をあげています。共産党にも一人の未納議員ありましたが、この点どうですか?


A.日本共産党は、他党に先がけて、29人の国会議員の調査結果 を発表し、大変申し訳ないことですが、吉井議員に未納期間があったことを明らかにしました。そして、本人は国会対策副委員長を辞任しました。自民党は未だに未納の調査を拒んでいます。公明党が中心幹部の未納を発表したのは年金法案が衆院で採択されたあとでした。自分たちの都合の悪い材料を国民にかくしたまま採択を強行したのです。政党としての責任が問われるのではないでしようか。

Q. 共産党は「最低保障年金制度」を提案していますが、どんな制度ですか?

A.今日の年金制度の最大の問題点は日々の生活をとうていまかなえない低い年金、そして無年金者の人が膨大な数にのぽっていることにあります。900万人の国民年金の人は、平均4.6万円ですが、月2万…3万円の年金の人は少なくありません。また国民年金の保険料の未納者は4割にも達し、保険料を払つていない人は、1000万人をこえています。厚生年金もこの不況の中で加入事業所が激減して、年金制度全体が、大変なことになっています。今回の政府案では、この点についてなんらの解決案もありません。日本共産党は憲法25条の国民の生存権の保障の上にたったその第一歩として、全額国庫負担による月額5万円の最低年金保障制度を提案しています。

Q. 掛け金なしで5万円の年金とは余りにムシが良すぎませんか?

A.「最低年金保障制度」世界ではイギリス、カナダ、北欧諸国、オーストラリア、ニュージーランドなど20数ヶ国で行われていて、世界の大きな流れです。日本でも4割以上の地方議会が賛同の意見書を提出しています。現在の年金には、厚生、共済、国民年金とありますが、国からの5万円の共通 の土台の上に、それぞれの掛け金に応じて給付を上にのせます。

Q. 財源はどうするのですか?

A.「最低保障年金」の財源は、これまでの税金の使い方、その集め方を見直せば十分あります。
・まず5万円の最低保障年金の実現には年金の国庫負担をこれまでの3分の1から2分の1にするための2.7兆と更に5兆円が必要です。2.7兆円についてはもともと2004年実施を法律で決めていたのに、政府は2009年に先送りしています。公共事業などの見直しで、政府がやる気になれば十分確保できます。5兆円についてはこれまたムダな公共事業や軍事費を削減(米が応分の負担をすれば生み出すことができます。)
・2つ目の財源として、国民が何十年も掛け続けてきた巨額の積立金があります。今こそそれを計画的に取り崩し、報酬比例部分の給付のために活用すべきです。厚生年金だけで164兆円(2005年)の積立金があります。これまで政府はグリーンピアなどに巨額の投資をしてきて失敗し、浪費を続けてきました。また、株式投資に使って、6兆円の大穴をあけてきました。誰もその責任を取りません。こんなことは許されません。財源を消費税にたよるなどもっての外です。
・3つ目は、リストラや不安定雇用に歯止めをかけ、雇用と所得をふやし、年金の安定した支え手をふやすことです。これが財源につながります。
・4つ目は少子化の克服に本格的に取り組むことです。子どもを安心して生み、育てられる社会をつくることが年金問題解決の土台となります。

Q. 年金法案は、今国会で強行採決されましたが、今後の見通 しは?

A.参議院で共産党の小池議員の質問で、これまでの政府説明で2つのごまかしが明確になりました。
1つは「国民年金の保険料は、これから13年間引き上げて(国会審議無しで)16.900円(月額)で固定する」と政府はいってきました。然し、それは、物価も賃金もあがらない仮定の話だったのです。
実際は、上限なしで月2万円をこえることが明らかになりました。
2つ目は厚生年金の給付は、これから下げられて、現役世代の収入の「50%は保障」といってきたのですが、年金受給が始まる時点だけのことで、すべての世代で50%を切り、40%にもなることが明らかになりました。
自民・公明のたくらんだ年金は、100年安心どころか、ますます不安定、不安な、負担増、給付減の年金改悪法案です。

参議院選挙でこの暴挙に審判を下し、実施させない運動を広げましょう。