06年 2月予算特別 委員会第1分科会 質問要旨

◎文化市民局│2月27日│ くらた 共子議員
☆使用料の値上げの影響、文化施設の改修・改善について

○今年度、京都会館・地域文化会館等の使用料など総額1億535万円の値上げが実施された。京都勤労者演劇協会では、「昨年秋から会館使用料値上げ分を補填しなんとか会費の値上げを避けたが、今年度は出演料の据え置きと同時に一人当り6千円の値上げを行わざるを得ない」と言われている。音楽サークルは、施設利用料に加え付属設備使用料の値上げと消費税負担が年間約3千万円と深刻。いずれも活動の足を止めかねない実態だと危惧されるが認識はいかがか。
(答弁→文化部長)全市的方針で使用料を15%改定した。全国的に受益者負担であり、問題点は類推しかできない。

○文化会館ホールや付属設備利用料値上げによる増収分は、各施設の改修や修繕にあてるとし、老朽化した京都会館の「つりもの」、美術館のトイレのバリアフリー化に充当するとこれまで説明して来た。二条城の耐震対策を含め進捗はいかがか。
(答弁→文化部長)H17年に「つりもの」は契約、美術館のトイレはH17に改修済み。二条城は国庫補助を求める。

○「京都会館の和式トイレを洋式にして欲しい」の要望がある。施設の改修改善は、通 常運営費でまかなうべき。工夫すればできることであり早急な対応を求める。
(答弁→文化部長)女性参加多い。現実に即していないので今後の計画に反映していく。

☆指定管理者制度導入による施設整備、労働者への影響について
○指定管理者制度を導入する施設の維持修繕費はどうか。
(答弁→文化部長)施設のランニングコストは京都市。小修繕は管理者、個々で契約の内容でおこなう。

○レイアウトの変更なども一定の費用が必要となる。各施設の特殊性によっても変わってくるのではないか。経費削減によるサービス低下を招いてはならない。それぞれの施設の負担の考え方について資料の提出を求める。
(答弁→文化部長)検討する。

○横大路運動公園が直営の理由はなにか。指定管理で労働者の雇用条件の変化はあるか。
(答弁→市民スポーツ振興室長)サッカースタジアムの件で候補になっていた。南クリーンセンターの建て替えが不明の為直営にした。職員の出向はない。10名以上は市全体の事務を行う。

◎教育委員会│2月28日│ ●くらた共子議員│
☆不登校児童、生徒への支援について


○不登校はどの子にも起こりうるとの認識を文部科学省が発信している。01年度の小中学生の不登校生徒数は13万9千人(文科省)であり倍増している。本市での不登校児童、生徒の実数はどうか。
(答弁→教育企画監)H16年の小学生269名、中学生945名。H13年がピークで減少している。学びのパートナーで対応している。

○ 平成16年の実数には、登校はしたがホームルームには入れず、保健室登校となっている児童、生徒などの数は含まれていない。支援を必要とする児童、生徒が潜在化している実態に応じた対応が大事。今年1月から開始されているフリースクールと連携した事業の開始にあたり教育委員会でどんな議論がされたのか。
(答弁→教育企画監)体験型と訪問型の事業。不登校対策はふれあいの杜、洛風中学などと同時に相談体制では多様なものを活用していく。学校指導で総合的にとりくむ。

○南区の「ほっとハウス」では定期的な訪問支援で生徒が通ってきているが、外出できず部屋に閉じこもっている生徒への対応は、支援者が生徒との信頼関係をつくりコミユニケーションの糸を手繰り寄せることができるかにかかっている。目標設定、利用料、支援期間の設定はどうか。
(答弁→教育企画監)18年1月から月4千円の実費を負担してもらっている。一月からの事業で今後丁寧に見ていく。ハートケア事業も行っており幼、小、中、高で悉皆(しっかい)研修も計画している。

○外出しにくい子どものところへ足を運ぶこうした支援を広げる必要がある。本格的実施が必要と考えるが、今後対象件数を拡大していく考えはあるか。
(答弁→教育企画監)全てのカバーにはならない。連携した総合的とりくみにしていく。この部分のみの目標は持てない。

○児童、生徒が不登校とならないためには、本来、地域の学校がこどもにとって安心して学び、育まれる場でなければならず、そのための努力が求められている。その視点からも30人学級は有意義だと思われるがいかがか
(答弁→教育企画監)対処療法でなく学校教育でのとりくみが重要。

○市長は、24日の一般質問に対し若者の自立支援が必要として、教育委員会も含めた庁内連絡会議を発足させると答弁されている。このなかで教育委員会はどういう役割を果 たしていくのか。
(答弁→生田)国でも文科省と連携している。同様にする。

○ 学童期の児童が不登校にならないことが有効な自立支援。市民の願いである30人学級を市長公約の平成19年実施を待たず、すぐに取り組むことを強く求める。

◎総務局・行政委員会│3月2日│
●くらた共子議員 │☆男女共同参画にふさわしい人材育成を

○新しい方針の策定にあたり、現行指針に基づいて市民意見も含めた客観的評価と公表が必要だ。「新方針」は確定した位 置づけとなっている。策定の方法、経過はどうか。
(答弁→人事部長)(案)は実質の方針。市長への手紙などの市民意見、所属長への意見聴取、ワーキングチームの提言、有識者で作成。以前の案を総括し未実施もあるが9項目を継続し7項目を強力に進める。

○方針の中には給与制度の整備や分限処分の実施など、職員全体の労働条件にかかわる内容が盛り込まれている問題もある。
(答弁→人事部長)これでやっていきたいということ。その部分は具体的に決めていかなければならない。

○重要な問題であり、充分な議論、慎重な対応を求めておく。

○人材の計画的な確保・育成の中に女性職員の登用拡大があげられている。平成22年までの5年間で各局の部長に登用していく計画だが、登用を拡大するねらいは何か。現在の全職員数に占める女性職員の割合、役責者比率はどうか。
(答弁→人事部長)役付け13,6%、全職員の33,2%。若い職員が多くなっている。登用された女性職員が経験を積み、若い職員が身近に「目指すべき職員」がいるということを目指している。

○ 女性の視点を行政に活かすことは非常に重要。男女ともに働きやすい職場環境をつくるうえでも期待する。男女共同参画を推進するうえで市が策定した行動計画「仕事と子育て応援プラン」の実施と合わせた条件づくりが必要だ。先ほどの質疑で、女性職員の係長能力認定試験受験率が低い原因について、「30代後半から40代の職員が家庭生活と仕事を両立させるうえで抑制がある」との認識を示された。女性職員の登用をすすめるには、その認識にたった具体的なとりくみが必要だがいかがか。
(答弁→人事部長)共同参画は重要な課題。男女双方の視点が必要。「仕事・子育て応援プラン」を活用していく。

○ 個々人のライフサイクルの位置を理解し、生活とのバランスが保てる職場環境を全体でつくること。そのためにも登用に至る過程で、また登用後も当事者の意見が反映できる仕組みが必要と考える。係長は22,4%、全体の8,4%が女性となっている。「仕事と子育て応援プラン」の実践が必要。
(答弁→人事部長)家庭生活で女性に負担がかかっているが仕事と両立できる環境を創っていきたい。

☆職員不祥事問題の根絶を

○人材育成方針で、人材の計画的な確保・育成の取り組みのひとつに「職員採用手法の検討」とある。市職員の不祥事を根絶する真剣なとりくみができるか市民が注目している。重点項目の柱に「不祥事根絶と適正な公務運営の確保」とあるが、取り組みの中身は懲戒処分のより厳格な運用や分限処分を実施するというもの。延々とつづいてきた一連の不祥事は、「人材育成方針」のキャッチフレーズもみじんに粉砕するもの。根絶に向け徹底したとりくみを求める。
(答弁→人事部長)不祥事は多くの職員の努力を無にするもの。根絶へ努力する。

◎産業観光局│3月6日│●くらた共子議員│
☆ものづくりの道具をつくる職人の技術継承、稀少道具製作への支援を


○西陣帯の生産量が減少するなかで、ものづくりの道具をつくる需要も減少している。関係業種のなかで問題となっているものの一つに、竹筬の原材料、真竹の確保と、竹筬をつくる職人が途絶えている実態がある。しかし国の指導もあり、この竹筬づくりの伝統技術を復活させるとりくみが行われている。一度絶えた技術は簡単に蘇らせることができない。道具を製作する現場では採算がとれないから、道具づくりが消滅の危機に瀕しており、そのことが本物のものづくりの生産過程にも支障をきたす。伝統的な生産過程を守るために稀少道具製作への助成策が求められる。
(答弁→商工部長)72業種に対して課題の調査をしている。技術者から意見を聞いている。道具、材料などの課題は把握しつつある。

☆西陣産業の後継者育成について
○伝統産業活性化条例の具体化で最大の問題は後継者育成である。西陣織の伝統的技術者の登録制を実施し技術後継計画に基づき実効性ある対策が必要だ。技術を有しているが未就労の実態をつかみ人材の流出を防ぐべき。
(答弁→商工部長)業界保護ではない。良い物でも売れなければ残らない。繊維技術センターで技術支援を行い技術向上していく。登録で仕事を斡旋する必要はない。

○就職の斡旋を求めているのではない。人材、技術の流動化の実態をつかみ計画的に後継者を育成していくことが必要だと言っている。

☆京もの履歴の仕組みについて
○伝統産業製品に関する「京もの」と多産地製品や海外製品との区別化を図り、消費者への情報発信を行う取り組みを支援するとのこと。「京もの」の規定はなにか
(答弁→商工部長)未定。伝産条例にそった内容である。

○「京もの」規定への消費者の納得が必要と考えるがどうか。
(答弁→商工部長)西工のとりくみに導入していこうとしている。手織り帯から始める。それ以外にも利用性をもったものにしていく。

○品目ごとの規定を明確にすることなど、業界の取り組みを支援しながら産地への信頼を高め守る視点での行政の責任を求める。国に対しても原産国表示の義務づけと合わせ、海外生産を規制するよう働きかけるようつよく求めておく。

☆観光産業の振興と公害について
○議員研修での講演、京都大学経済学部学生による東山区清水地区の調査研究レポートなどから、市の観光客年間5,000万人構想と、地域住民の願いのズレを解決する必要性が指摘されている。脱クルマをどう進めるか。
(答弁→観光部長)①歩いて楽しむ観光。TDM施策②公共交通 機関利用促進キャンペーンの拡大③脱クルマ(1300万円)案内図版のネットワーク化④新しい計画は全体の視点でおこなう。

○市民に協力共同してとりくむこと。観光客にも働きかけを。