4月2~3日 沖縄 全国基地活動者会議
4月2日~4日沖縄県那覇市の船員会館で開かれた
「全国基地活動者会議」(安保破棄中央実行委員会主催)に参加
してきました。

 ずいぶんといかめしい会議の名前ですが、要は日本にある米軍の基地なくそう。
思いやり予算おかしいで。  国民の命も米軍兵士の命も守るため、世界中の命を守るため軍事を失くし平和をつくろう。 という会議です。

 全国での基地問題への取り組みを通して出された意見の大半は、「米軍基地の再編は、基地の縮小や地元の負担軽減なんかじゃない。
自衛隊基地の米軍共用は、アメリカが日本をアメリカの先制攻撃戦略を支える最大の基地国家につくりあげることが目的。」「全国の基地問題を解決していくためにも沖縄のたたかいが重要。普天間飛行場をどこにも移設させず、返還を求める全国的な運動を強めよう。」というもの。

 普天間飛行場の名護市辺野古沖移設に反対する大西照雄・ヘリ基地反対代表委員は、「ジュゴンなど、多様な生物が息づく辺野古沖の環境を守る取り組みと平和運動が一つになり、県民の共感を得ている。」と述べられました。
 
 国際問題研究者の新原昭冶さんは、日米両政府の内部資料によって、米軍機墜落事故の現場処理に関する1953年の日米合意で、米軍の自由な民間地立ち入りが認められたにもかかわらず、外務省が日本側の承認が原則であるかのように国民に説明していたことを解説されました。

 正文である英文では米軍の民間地立ち入りについて
 「without prior authority 」…事前の承認なくしてと全面的に認めています。
 ところが、外務省が1960年に国会の要求により提出した対外的な訳文は、「事前の承認を受ける暇がないときは」としており、この翻訳がいまも引き継がれているというのだ。

  新原氏は、「政治的意図的な翻訳である。」と批判。「政府はすべての交渉経過を公開し、国民に謝罪するとともに卑屈な米国追随をやめるべきだ。」と指摘。 沖縄タイムズや琉球新報には連日、関連記事が掲載されました。

 全国基地活動者会議 
 4月2~3日 那覇市船員会館に




     
宜野湾市沖縄国際大学
2004年8月 米軍ヘリ墜落現場
左右二つのビルの間を抜けて大学構内に墜落した。 墜落直後より米軍が周囲を占拠し、住民住宅内にも 米軍が入り込み調査を行った。(左の写 真)
 4月4日には、基地調査に参加。米軍ヘリが墜落した宜野湾市の沖縄国際大学現場のあと、宜野湾市役所で伊波市長と懇談。普天間基地問題の局面 認識と、市長の考えをお聞きしました。「沖縄の海兵隊がイラクの戦闘に経ち4月1日に戻るまでの間市内はトラブルなく落ち着いていたが、このあとの状況を危惧している。基地の移転を許さず完全に返還を求めることなしに住民の安心と安全はない。

政府の対応は、新しい基地をつくらなければ返還しないというアメリカ側の条件を呑むもの。国民全体の問題。再編といっても、アメリカが軍力を縮小する訳ではない。現にハワイの基地が閉鎖された以降、普天間基地からの飛行回数はそれ以前の1,5倍(年間10000回)になっている。

アメリカは米国内の基地を100削減する計画。返還を勝ち取ることができなければ、普天間基地の負担はさらに増大し、事件や事故も起こる。市民と力を合わせ頑張る。政府のイニシアティブの発揮を求める全国でのみなさんの運動をお願いしたい。」立ちはだかる壁に、道理をもって立ち向かう伊波市長の言葉に突き動かされます。
 
宜野湾市役所で歓迎を受ける
 伊波市長が挨拶「基地をなくす以外にない。 全国でのみなさんの奮闘をお願いする。」
 京都から来ました。共にがんばりましょう。」 伊波市長と握手。
   
市役所屋上から普天間飛行場を眺める
 後方に巨大な滑走路がみえる
 
 政府が建設をすすめる都市型戦闘訓練(陸軍複合射撃訓練)施設(金武町伊芸区)の現場視察と区長との懇談。この施設は、すべて日本政府の思いやり予算で整備する見通 し。

実は、2002年には沖縄のリゾート地としても有名な恩納村地域にこの建設計画が浮上したが、近隣住民抗議行動、県議会の抗議決議などで建設が中止となっている。 あたりまえである。これまでにもキャンプハンセンの演習による原野火災、小児女子が足に銃弾をうける、19歳の女性が自宅で化粧中に大腿に銃弾を受けるなどで重傷を負っています。

 
キャンプハンセンのある伊芸区金武町 
 実弾を使う危険な「都市型訓練施設」の建設地域
(上3枚と左の写真)
施設建設の工事を行う本島の業者が、キャンプハンセンの側から入っていると考えられる(下の写 真)
手前は沖縄自動車道
施設まで250m、
住宅からは300m(左の写真)
区長の言葉です。「グアムでの建設計画があったが、グアムは純アメリカ。自国には危険な施設は造らない。ご覧の通 り、住民住宅とレンジとの距離はわずか300mです。しかも沖縄自動車道が隣接し、観光産業への被害は必死。政府の要人に会っている。住居を確保するから、ここでの暮らしを体験してもらいたい。」切迫した思いの区長の言葉に鳥肌がたちました。まさに日本全土をアメリカの基地にするための計画が着々とすすめられ、国民の命など考えてる場合じゃないという日本政府の異常さを感じるからです。

いま、レンジのゲート前に電柱が引き込まれている。表からは建設工事がどのようにすすんでいるのかわからないが、キャンプハンセンを通 って建設業者が送り込まれているのではないかとのことでした。「工事が入った場合、即座に対応し阻止することを住民と合意し、24時間体制をとっている。」ここでも緊迫した命がけのたたかい。
 
公民館で、池原区長から説明を受ける
「政府の要人に何度も合って交渉し、一度ここに住んで体験してもらいたいと言っている。
町民と24時間体制で運動をしている。」
米軍のなすがままに、危険な施設を黙認し建設を推進している日本政府を糾弾する。
キャンプハンセンのある金武町伊芸から、日米両政府が米海兵隊普天間基地の「移設」を口実に新基地建設を進めている名護市辺野古沖へ向かいました。
 昨年4月19日からの現場での座り込みをはじめとする県民の根強い反対世論によって計画は行き詰まりの状況となっていますが予断を許しません。

 3月28日付の日刊紙「赤旗」が報道しているように、2月19日に日米安全保障協議委員会(2プラス2)で在日米軍再編についての協議の開始を合意。2プラス2の共同発表は、1996年の沖縄に関する特別 行動委員会(SACO)の「普天間飛行場の重要な軍事的機能及び能力の維持」を前提に、沖縄県内に代わりの基地を建設するとう日米合意の取り決めを実施することを強調しています。

 米国は、「普天間基地の機能をなんとしても維持したい。」「辺野古沖の新基地建設計画を見直したいのなら日本側が案を示せ。」と言ってるわけで、 日本政府が、米国いいなりの立場である以上見直し案も、結局は基地のたらい回し案にすぎず、それ以上に、基地の機能分散強化になるという危険があるわけです。

 沖縄県の基地対策室が、「全国面積の1%にも満たない島に米軍基地の75%が押し込められ、その上こっちはどうかあっちはどうかと言われ憤怒に耐えない。」と語っています。基地はなくすしかない。この怒りを全国に。世界中に。

 移動バスのなかでの、ガイド役の沖縄平和委員会の大久保さんのアナウンスです。前号の伊波宜野湾市長の言葉にもありましたが、「海兵隊がイラクに行ったことは当然、重大な問題だ。しかしその間住民は、小鳥のさえずりというものがこんな風に聞こえるものなのかと感嘆していた。」爆音で一時間に6回も授業が中断する現実は異常そのものです。
 

移動中バス車内からキャンプのゲイトを撮影

辺野古の浜に座り込み撮影

基地調査の参加者
 辺野古の海岸から見渡す海の、清らかな美しさ‥。この地にきた方なら、理屈を越えた感動と怒りを身に付けるでしょう。
「おじイ、おばア から受け継いだこの海を、基地に手放したら、俺ア はずかしいよ。」下地島空港を抱える伊良部町民を奮い立たせた青年の意志‥。

 辺野古の戦いの記録を収録したビデオの中から「今日、はじめてカヌーでの海上座り込みをやった。4月19日からずっとこんなきついことをみんなにさせてきたのかと思った。ひどい舟酔いで、食事どころじゃない。どうか、いつまでも傍観者でいないで、ひとりでもここにきて、座ってほしい。」 施設局職員よりも先に、現場に陣取り作業をさせない非暴力のたたかい。

 このビデオは1本1,000円です。ビデオを買ってみていただくことも、基地建設阻止の運動です。ご希望の方はくらたまでご連絡ください。
 那覇市役所内で開かれている浅見裕子写真展「辺野古の10ケ月」から施設局の担当者に、真正面 から迫るおじイ。そこには、戦争の極限を知る者にしか言えない言葉が‥。
 
辺野古の海
 ジュゴンが住む美ら海

那覇市役所内 浅見裕子写真展「辺野古の戦い」

施設局担当者に向かい合う住民

17歳の少年兵 ‥涙が溢れて止まらない‥

過去と未来をみつめるおばアたち

機動隊のゴボウ抜きに備える住民たち

海上の陣取りと座り込みへ
非暴力のたたかいを通して過去と未来を見つめるおばアたち
機動隊のゴボウ抜きに負けないように、スクラム組みの練習をする住民たち
カヌーを漕いで海の上の座り込みに向かう住民たち
そして、鉄線越しに笑顔で振り向く17歳の米少年兵‥。
「どうして、軍隊に入ったの?」「学校にいきたいから‥。」
わたしは、この写真の前で溢れる涙を止めることができませんでした。

写真を見終わったあと、浅見さんとお話をしました。
17歳の少年兵は、米軍の殴りこみ部隊の一員としてイラクへ行ったそうです。
その後のことはわからない‥。
アメリカが徴兵制を用いない理由。貧困層の青年を軍隊に入隊させるためです。
許せない。絶対に許せない。

いま、全国的な傾向ですが経済基盤の崩壊がすすみ沖縄では失業率が全国平均の2倍になっているということです。
ガイド役の大久保さんのお話では、40代男子で月収15~16万円。
そんななかで、自衛隊に入隊すれば高卒で約20万円と言われていて沖縄では自衛官はいくらでも人材が集まると言われているそうです。
米軍再編にはに自衛隊を米軍と軍事一体化させる重大なねらいがあります。
また、米軍は特殊技能をもつ人材を採用しています。
優れた知能や技術がアメリカの世界戦略構築を支えているという大きな矛盾に突き当たる現実です。

これらさまざまな矛盾とのたたかいの原点は、憲法に根ざした平和の原則を守ることにあります。
この原則をもとに、アメリカをはじめ諸外国との外交をすすめ、戦争によって一生を終わらせることのない世界をつくっていくことができればどんなに素晴らしいことか。

京都に戻り、あらためて思います。基地のない京都でこそ、がんばらなければ‥。

国指定重要文化財