雇用問題を考えるシンポジウム 6月24日

6月24日 雇用問題を考えるシンポジウム 西陣織会館にて  くらたメモより

 3人のシンポジストの報告は貴重。本来なら1コマ2時間は必要と思われる中身をコンパクトにまとめ報告され、参加者からは雇用や、労働をめぐるリアルな実態の告発があり、参議院選挙で日本共産党の躍進が求められていることを実感できる内容だった…の声が寄せられています。

 シンポジストの岡清彦氏…「しんぶん赤旗」日曜版記者は、この間の偽装請負に関する身体をはった取材を通 し、「人間扱いされない労働者が、会社や企業への忠誠心をもたない」 ことを実感をもって語り、商業紙記者が自分のところに取材に来て記事を書いてもスポンサーに睨まれることからジャーナリズムを発揮できない現実があること。そのなかで10年前から追求してきた 赤旗と日本共産党の値打ちは、労働者が人間らしく当たり前に働く権利を守る砦となっている。参議院選挙で、この党の議席を広げようと呼びかけました。

 シンポジストKBS京都の古住広義氏は、非正規雇用の正職員化をかちとってきた組合活動の経験を語り、彦根で正職員となった組合員が、「正職員のことでなければとりあげない組合が圧倒的 多数のなかで、自分はこの組合の組合員であることを誇りに思う」との発言を嬉しく思うと締めくくり、組合のあり方、労働者同士の連帯を強める必要性について提起しました。

 シンポジスト京都総評事務局長の河合秀明氏は、自治体職員における非常勤職員比率の増加を指摘し、同じ内容の労働を行っているもの同士の分断を許さない立場に立つことの必要性を述べました。最低賃金については、京都で月額118,906円となっており、先進諸国の中で最悪の水準。

 全労連は最賃の全国一律1000円以上を、連合も1000円で一致するという歴史的にも 大きな意味をもつ情勢。ただし政党のスタンスはよくみる必要があり、民主党は最賃引き上げを言うが額を明確にしていない。これは地域間格差を認める意思があると考える。

 最賃なぜ1000円なのか? せめて年収200万円以上の収入が必要との考えから最低生計費を割り出すと164,895円となり、時間給に換算すると1000円以上との結論となった。
最低生計費を算出する際に、生活実態調査、持ち物財調査、耐久年数も含めた価格調査を行うことで、憲法25条に根ざした月単位 の最低限度の費用を割り出した。

「最賃を上げると、会社がつぶれる」論に対して、賃金のルールはひとが当たり前に暮らせる賃金であることを主体に考えるもの。高所得者の賃金があがっても経済効果 を産まないが、低所得者の 賃金が上がることにより、2兆円以上の経済効果 を産む。賃金、労働問題は中小零細企業といっしょに考えることが大事だと提起しました。

わたしは、この間の青年とのコンビニエンスストアなどを訪問した経験から、一言報告させていただきました。「私以外はみんなアルバイト、星をみて家を出て、星をみて家に戻る」と応えた、「共産党に相談しに行こうと思っていたところ、厳しい売り上げノルマ達成に、自分の身体を切り売るしかない…」と応える店長さん、

雇用問題は青年だけの問題ではないことを改めて実感してきました。働く権利を学びたたかう組合の必要性、組合がなくとも相談できるユニオンの必要性は切実です。