☆ 人物写真を織物で表現し、オリジナルな記念額を創る

西陣織伝統工芸士 廣岡さん
 「織額」製作、豊臣秀吉、前田玄以古文書のレプリカ製作に、最新のデジタル技術と西陣織の技を融合させ成功させてきました。
その次に、廣岡さんが取り組んだのが、人物写真を織物で表現し、オリジナルな記念額を創るというもの。
 「できたで~」の声を聞き、自宅をたずねました。

繊維技術センターの援助を受け、お孫さんの写真を題材に、切磋琢磨して出来上がった思い出の織り額です。


 廣岡さんは言います。
 「京都に観光に来はったひとが、記念写真のなかで気にいった1枚を観光記念品として注文してくれはったら、それを西陣の織人が織って仕上げ、注文先へ発送する。
 新しい、仕事起こしができひんかと胸がワクワクしてるんや…」

 わたしも今度、着物を着た新しい写真をとって、廣岡さんに「くらともの肖像」を織ってもらおう。
 みなさん、繊維技術センター(もと染色試験場)が、どれほどこの西陣地域に必要なものかわかっていただけるでしょうか。

先日の西陣問題対策協議会が京都市伝統産業課との懇談会をもちましたが、全西陣織物労働者組合の松下嵩委員長は、「繊維技術センターがリサーチパークに移転したとしても、相談に駆け込める機能を、かならず西陣地域に残さなあかん」と述べました。

社団法人京都自治体問題研究所「京都自治研究」創刊号には、京都大学大学院 大貝健二氏が、京都経済の現状と高度化の視点---産業の空洞化と高度化の視点から---の研究論文に、京都市の「京都市スーパーテクノシティ構想」が産業間と地域産業の矛盾を生じていることを指摘し、繊維技術センターという公設試験研究機関は、地域中小零細企業にとってなくてはならない存在であること、技術者養成機関として果 たしてきた役割も大きく、地場にあって気軽に相談が持ち込まれる環境であってこそ、双方の技術力量 の向上ができてきたことを示唆しています。

 大貝氏は論文のまとめで、施策上の重点産業は容易にシフトできても、産業の主体のシフトは容易ではない。移転後の西陣地域をはじめとする繊維業界への技術的ケアは万全にできるのかの検討をする必要がある。新産業の創出は重要であるが、新しい産業は、従来の産業の基盤の上に成り立つものである。京都市は、製造品出荷額、付加価値額では金属加工産業に及ばなくとも、事業所数では圧倒的に多い和装伝統産業と、新産業の並存を目指すべきではないかと強調されています。

 くらた共子は、京都経済を良くしたいと願うすべてのひとと共に、力を合わせてがんばりたいと思っています。
 暮らしをあためることから国内全体の景気をよくする経済政策への転換が必要です。

景気は後退期にはいったと政府も認めました。大企業は輸出頼みの好景気で戦後最大の利益をあげながら、その利益を内部留保や株式の配当にまわしてきました。利益に応じた税の負担からも逃げ、労働者の賃下げにリストラ、徹底した人件費コストの縮減を図るために、労働者を安く使って、好きなときに解雇する、やりたい放題です。 こんな財界のやりたい放題を応援してきたのが「構造改革」ではなかったでしょうか。
強きを助け、弱きを挫いた「構造改革」こそが、景気を悪くした最大の要因であることは、はっきりとしています。

 日本の新しい経済政策が必要です。衆議院解散総選挙で、日本共産党とごいっしょに構造改革路線、消費税増税NOの審判を示しましょう。