暮らしと経済をあたためる公契約条例を! 11月23日


23日 午後、商工会議所講堂で催された「公契約のあり方を考えるシンポジウム」に参加しました。


千葉県野田市が公契約条例を制定し、運用しながら内容の改善に取り組んでいます。
公契約条例とは発注者である自治体の責任で、受注企業が下請け、孫受け、現場労働者の賃金ダンピングをさせないようにし、これにより下請け孫請け企業の保護と社会的に適正な賃金を保障し地域経済の活性化に貢献していくことを可能にするものです。

千葉土建一般労働組合野田支部の赤羽根伸一さんは「それまで下がり続けることはあっても上がる事のなかった賃金単価が上がった。例え数十円であってもその事実に鳥肌がたつほど感動した。課題は契約内容のチェック、職員を増やさなければ困難」と話されました。

京都府電機商業組合理事の河村泰三さんは、「電子入札になり最低中の最低価格で入札しても落札できない。国のスクールニューディール政策で期待したが、大手がかっさらっていく事実に黙っていられなかった。市役所の延長コード1本の注文にも応えてきた地元企業にも仕事が回るようにしてもらいたい。落札した仕事を組合の力を借りて期間内に納品し、仲間からも喜ばれた経験からこれだ!と思った」

JEMAエレベータメンテナンス事業協同組合代表理事の岩島伸二さんは、「エレベーター業界は大手5社の独占状態。メーカー系列以外には部品も売らないという状況がある。エレベーターの維持管理で一番大切なのは安全性の確保。京都市の1年単位 の契約は馴染まない。最低3~5年契約とすることが必要。エレベーターのメンテナンスコストの大半は人件費。契約期間中の支払いは毎月としてもらいたい」と指摘されました。

京都大学教授の岡田知弘さんは、「地方自治体は地域経済をつくる経済主体でもあり、京都市でみれば1兆円の効果 が望める」財源論との関係で「数値で測れないことがある。安く上げることを評価するという行財政評価そのものを見直す必要がある」中小企業への配慮がなされない原因について「経済界の圧力がかかり易い。統計の取り方、表し方にも問題がある。法人税収だけを扱う傾向があるが、実際に地域社会を維持するために役割を果 たしているのは、地元中小企業のOBやOGだという面も抑える必要があるのではないか」と提起されました。

フロアからは、公契約条例制定をと最初に声をあげ運動に取り組んでこられた京建労の組合員さんが公共事業の建設現場で働く労働者の声を報告されました。
私は「収入、賃金?恥かしくて言えない」という現場労働者の言葉が胸に突き刺さりました。

京都総評からは、経営者の皆さんが問題意識を明らかにされることを歓迎します。商工会議所も「大型店が利益を吸い上げていく」と危機感をもっておられる。
ご一緒に循環型の地域経済をつくりましょうと話されました。

私は、本当に働くことを尊び喜び合って勤労感謝の日を迎えられるようにしたいと思います。
住宅改修助成制度も含め地域循環型経済をつくりあげていく展望があります。



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